院内報「こころ」Medical Journal KOKORO
夜診は行っておりませんのでご注意ください
◆ 休診日・冬季休診期間のお知らせ ◆
★年末年始の休診期間:12月28日~1月5日
12月27日(月)午前診が年内診療最終です。
1月6日(木)午前診より、年始診療開始です。
★ 今季のインフルエンザワクチン接種について ★
今シーズンは、インフルエンザワクチンの供給量が例年より大きく下回っており、さらに、各医療機関に届けられるペースが遅れる見通しです。 そのため、インフルエンザワクチン接種をご希望の方への接種をお断りせざるをえない場合が生じています。 今シーズンは、予約制を取らず、『ご来院時にインフルエンザワクチンがあれば接種させていただく』という対応をさせていただきます。
ワクチン供給・確保が不安定であるため、どうぞ事情をご賢察の上、ご了承下さい。
お断りした場合でも、後日お問い合わせいただければ接種可能となる場合があります。
☆卵・鶏肉のアレルギーのある人は接種できません。
☆13歳以上では、1回接種で十分とされています。
<インフルワクチン接種の費用について>:
(ワクチン代+接種手技料)4000円(税込)です。
☆堺市在住(住民票のある場合)の65才以上の方は、自己負担額が1500円で済みます。
☆無料となる条件の方は、証明できるものをワクチン接種当日にご持参ください。
☆無料券をお持ちの方は、無料券をワクチン接種当日にご持参ください。
(接種当日に証明書等や無料券がないと無料になりません。 後日持参されてもご返金できません。)
★ 帯状疱疹ワクチンの実施について ★
マスコミの影響でしょうか、最近、当院に帯状疱疹ワクチンについてのお問い合わせが増えてきました。 そこで、改めて帯状疱疹ワクチンについてお知らせいたします。
帯状疱疹とは、水ぶくれを伴う赤い発疹が体の半側に帯状に出る皮膚疾患で、強い痛みを伴うことが多く、さらに、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが残ることがあり、50歳以上で帯状疱疹になった方の約2割が帯状疱疹後神経痛に長期間悩まされると言われています。
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因です。 そのウイルスが長年神経に潜伏し、ストレスや免疫力が下がった場合に活動し、帯状疱疹として発症します。 帯状疱疹は50代から発症率が高まり、80歳までの約3人に1人がかかります。
帯状疱疹の予防に有効なのが帯状疱疹ワクチンです。 対象者は、50歳以上の方となります。
帯状疱疹ワクチンには、「ビケン製の生ワクチン」(従来から子供に接種されてきた生ワクチン)と「シングリックス®」(最近発売された、不活性化ワクチン)の2種類があります。 それぞれの特徴は以下の通りです。
<ビケン製の生ワクチン>
1回接種のみ。 費用は8,000円(当院、税込)。
皮下注射。 効果は少し弱い(効果が6割前後)。 効果持続時間も少し短い(個人差あり; 3~11年との報告)。 5年空ければ、再接種できます。 ワクチン接種による疼痛や腫れなどの一般的な副反応以外に、水痘ワクチンに特異的な副反応としては接種後1-3週間後に発熱や、2-3%に全身性の水痘様発疹がみられることがあります。
<シングリックス®(不活性化ワクチン)>
2か月空けての2回接種必要。 費用は1回あたり20,000円(2回で計40,000円)(当院、税込)と高額。 筋肉注射。 帯状疱疹を予防する効果が高く、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%の発症予防効果との報告。 また、発症予防効果が少なくとも9年間たっても認められているとの報告。 主な副反応としては、疼痛や腫れなどの一般的な副反応以外に、コロナワクチンとよく似た全身性の副反応(筋肉痛、疲労、頭痛、悪寒、発熱等)が比較的起こりやすいとの報告があります。
・・・・ 接種ご希望の方は予約が必要となります。
・・・・ 詳細は、院長・副院長にご相談下さい。
<他の成人向けワクチン(当院で可能なもの)>
●肺炎球菌ワクチン・・・8,000円(堺市の補助がある対象者は、4,000円)(諸経費の上昇で値上げ)
●風疹ワクチン・・・堺市の補助の対象者は無料。
♡ 芸術の秋 読書の秋 ♡
事務スタッフ 加藤 智美
♥お勧めの施設:
「さかい 利晶の杜」に行かれたことはありますか? 堺ゆかりの二人の人物、千利休と与謝野晶 子をテーマに、堺の特色ある歴史文化を広く発信する文化施設として、宿院に平成 27 年 3 月 20 日にオープンしました。 千利休と安土桃山時代の堺、与謝野晶子と明治大正時代の堺を体験できるミュージアムです。 千利休茶の湯館では利休と堺をめぐる人々の世界、与謝野晶子記念館では晶子の詩歌の持つ美しい世界を体験できます。又、茶の湯体験施設は「立礼呈茶」で、椅子に座ってお抹茶と美味しいお菓子を味わえます。 堺の土産物も売っており小旅行の気分になりますよ。 又 11/3~12/5 には、堺出身で先日亡くなられた「ゴルゴ 13」のさいとうたかお先生の劇画の世界の展示もあるようです。
♥本のご紹介:
「考えて、考えて、考える」は、史上最年少で棋士になり 29連勝達成の 19歳の藤井壮太 3冠 と、「死ぬまで努力」 82歳の名経営者丹羽宇一郎氏との対談本です。 お二人は愛知県出身という こともあり 3 年ほど前からお付き合いがあるそうです。 駒の動かし方もあやうい私ですが、礼儀 正しく謙虚に振舞う藤井さんの対局を見るのは楽しみで、19 年間の藤井さんを知ることができる 本です。 秋の夜長にどうですか?
♡ 更年期なんです! ♡
看護主任 住友久美子
50歳を過ぎて身体の不調に悩まされるようになりました。 疲れやすく、朝は指がこわばり、肩や肘の関節が痛む、目が回って起き上がれない、ふらついて歩けない、何でもないときに動悸がする、顔がほてって首筋に汗がダラダラと流れる・・・夫の親父ギャグにイラつき、犬の散歩も億劫で家事をする気がおきない・・・仏壇の前に座ると何故か涙が溢れて止まらない・・・シミ・しわ・白髪だけでなく体重も増えた・・・親の介護も重なり、心身ともに落ち込んだ・・・ 更年期障害の症状でした。
更年期障害は、閉経に伴い卵巣の働きが衰え、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が急激に減少することで起こります。 一般的には閉経を挟んだ、45歳~55歳の約10年間を更年期と呼びます。 エストロゲンの分泌量が減少すると身体のいろいろな機能がうまく働かなくなり、上記のような症状が現れます。 治療法としては、1ホルモン補充療法 2漢方薬による治療 3抗うつ薬・抗不安薬等による治療などがあります。私は漢方薬を試しましたがすっきりとは改善しませんでした。
そんな時に、家事は手伝ってくれませんが手抜き料理でもいつもおいしく食べてくれる夫や家に帰ると尻尾を振って出迎えてくれる可愛い3匹のチワワ、愚痴を聞いてくれる父親が変わらず接してくれることに気づきました。 クリニックでは優しい先生方、明るい同僚達が温かく声をかけ、助けてくれます。 イライラするばかりでなく今の自分を受け入れようと思えたことで気持ちが少し楽になりました。まだまだ症状はありますが、やりたいことが出来て前向きになっています。
更年期の症状は人様々ですが、適切な治療を行い、無理をせず、上手く付き合っていくことが大切だと実感しています。 更年期障害かな?と思われた方は医療機関(婦人科等)にご相談ください。
☆ 「いろは歌」はあの世の歌! ☆
院長
「いろはにほへとちりぬるをわかよ・・・」の、いわゆる「いろは歌」は、皆様よくご存じですが、実はあるお経を翻訳したものということをご存じですか?「夜叉説半偈」という、「あの世」のことを説いた短いお経です。
『色は匂へと散りぬるを 我か世たれそ常ならむ 有為(うゐ)の奥山けふ越えて 浅き夢見し酔(ゑ)いもせす』: 「いろは歌」に漢字をあてはめて書き記すと以上の通りになります。
前半は、こちら側(この世)のこと。 「花の色が衰えていつしか散るように、誰でもこの世にて生き続けることはできず、いつか死ぬ。」
後半は、本人にとっての死の描写で、「有為の奥山」は「この世」と「あの世」の境で、それを「今日(けふ)越えた」、すなわち「今日死んだ」ということで、次に、死んだ直後の、あるいは、死につつある過程での、本人の気持ちが述べられています。 「死んでみると、なんだか全てがはっきりすっきり見える。 振り返ってこれまでの人生を見ると、まるで浅い夢、あるいは、酔っぱらっていたとさえ思える。」 だから、これからは『浅い夢は見るまい、酔っぱらいもするまい』と宣言されているのです。
「有為の奥山」の向こうに「無為自然」の世界(=「あの世」)があることを信じたいですね。(院長)
(こころ誌第36号より改変)