院内報「こころ」
Medical Journal KOKORO
◆ 当面の休診日のお知らせ ◆
当面の休診予定日をお知らせいたします。
*6月:6月5日(土)、6月12日(土)は休診。
*7月:7月3日(土)、7月17日(土)は休診。
*8月:☆8月12日(木)~18日(水)が夏季休診期間で、この期間は全面休診となります。さらに、8月28日(土)は休診となります。
◎土曜日は不定期に休診いたしますので、ご予約なしに受診される場合は予め必ず電話にてご確認下さい。
●医療制度情報 :皆様にぜひとも知っておいていただきたいこと●
①今年4月から、詳細な明細書を発行義務化
皆様が受診するつど、「診療内容がわかるような詳しい明細書」を医療機関からお渡ししなければならなくなりました。 しかし、診療報酬の制度は非常に複雑で、特に1ヶ月に何度も受診される場合に、同じ医療内容でもご負担額が変わってきたり、途中で以前のご負担額の一部が取り消されて、領収書の金額と違いが出てくることがあります。 また、診察後や月末の総点検で、ご請求漏れが見つかることが多々あり、その分を加えて医療保険に請求することとなり、皆様方への医療費の通知額と異なることが生じます。 なお、・明細書の発行をお断りいただけます(ご署名いただかねばなりませんが)。・この明細書は領収書ではありません! 後日の確定申告や各種証明のためには「明細書」とは別にお渡しする「領収書」が必要ですので、「領収書」の方をしっかりと保存しておいてください!(「領収書」は改めて発行できませんので、ご注意下さい。)
②入院中は医院で薬が処方できなくなりました!
『病院に入院している途中で、普段服用している薬をかかりつけ医にもらいに行く』ということが従来よく行なわれていましたが、それが出来なくなりました。入院中は、その病院が全面的に責任を持つということが原則となり(たとえば、眼科や整形外科に入院しても、内科のことも責任を持つ)、薬の処方も病院で行なっていただかねばなりません。 今後、入院された場合は、入院先の病院で薬を処方してもらって下さい(入院中にご来院されても処方できません)。もし、入院が予定されている場合は、早めにかかりつけ医にご相談下さい。入院期間中に薬がなくならないようにあらかじめ処方することなどの対応を取ることが出来ます。
③『救急安心センターおおさか』が運営開始
<病気やけが、迷ったらまずここへ>
#7119(携帯電話・プッシュ回線)
06-6582-7119(ダイヤル回線・IP)
発熱、腹痛、けがなど、急な事態が生じた時、医師や看護師等が、24時間、365日、電話相談に乗って、応急処置や救急受診すべきかどうか等の助言や指示してくれることになりました。 必要と判断されれば、救急車の出動まで対応してくれます!! ご活用を!
④後期高齢者健診でも人間ドックの費用助成実施
特定健診(40歳~74歳対象の、いわゆる「メタボ健診」)では、普通の健診のかわりに人間ドックを通常よりも安く受けられることのできる制度があります(国保対象者など)が、後期高齢者医療保険に加入されている75歳以上の方も、人間ドックが安く受けることができるようになりました。 具体的には、一旦人間ドックを受けて全額を支払ったあと、市町村の窓口へ、領収書や検査結果通知書等の写しを添えて申請すれば、2万6千円を限度に費用が返還されます。 正直言って、後期高齢者健診の項目は健診と言うには非常にお粗末で(たとえば腎臓の検査項目がないなど)、できれば人間ドックを受けることをお勧めします。
詳細は、大阪府後期高齢者医療広域連合までお問い合わせ下さい(・06-4790-2031)。
⑤児童虐待が疑わしい場合は通告を!
最近、堺市内でも児童虐待が行なわれているとの報道がありました。 「子供の悲鳴や泣き声がしょっちゅうする」「子供がよくケガしている」など、児童虐待の疑いがあれば、深刻な結果にならないよう、市町村の児童虐待相談窓口や児童相談所にご通告下さい!!
堺市子ども相談所:・276-7123(月~金、9~17:30)
●がんの末期の方の看取りを担当して●
神経難病や脳卒中などでご通院困難となっている方を中心に、私どもは在宅医療も行なっておりますが、時々、がんが進行した方を担当させていただくことがあります。 大きな病院で診断や治療を受け、しかし残念ながらがんが進行し、通院困難となられてから初めて在宅医療のご相談に来られる・・・というのが通例です。 私どもとしても、残りの人生を精一杯お支えするよう努めますが、そのためには、在宅医療導入の十分な打ち合わせが必要です。
昨年の12月、病院から、末期のがん患者さんの在宅医療開始の要請がありました。 その方は病院以外にはかかりつけ医がなく、まずは私ども以外にも訪問看護ステーション、ケアマネージャー、介護保険の各種業者が病院に集まり、病院の主治医から病状説明を受け、さらにご家族と訪問の段取りを相談し、病室にうかがって患者ご本人にご挨拶。さらには、在宅医療に関わる者たちどうしの日程打ち合わせ、情報交換等、準備に追われて、数日経過したのち、いざ退院直前になって亡くなられたとの連絡が病院からありました。 少しでも家で過ごさせてあげたかったのに残念でした。 皆様に知っておいていただきたいことは、がんの末期の方に限らず、在宅医療の開始のためには事前の準備が相当必要であるということです。 担当させていただく患者さんが以前から通院していただいている方の場合は、割とスムースに導入できますが、新患の方の場合はその方の病態、家族関係、生活リズムなどを把握し、在宅医療に関わる各種業種の方との打ち合わせなど、開始するまで時間がかかります。 大きな病院に通院されている場合でも、普段から近所のかかりつけ医を持ち、在宅医療に限らず、いざという時に相談できる状態であることが必要と考えます。
最近もがんの末期の方の在宅医療をさせていただきましたが、その方も状態が悪くなってから慌てて相談に来られたものの、当院のスタッフはもちろん、訪問看護ステーションやケアマネージャーさんの奮闘で、安定した在宅療養を1ヶ月半送られ、ご家人の見守る中で看取らせていただくことができました。 心に手が届く医療をさせていただくためにも、普段からかかりつけ医と良好な関係を作っておく必要があると考えます。(院長)
●オムツフィッター1級研修中です●
看護師長 引石澄子
「老い」「高齢者」という言葉から多くの人が連想するのは「介護」ですが、「人は健やかに生きて、ごく自然な暮らしの中で、いつかは亡くなっていく」という当たり前のことが、今は困難になっています。 そこで、排尿排便がうまくできなくなった場合(排泄トラブル)どうしたら良いか? 症状の把握をした上で適切なアドバイスやモノがあれば生活の質を上げることができます。
オムツの使用方法や尿漏れなどでお困りのことなど、どのような方にどのような場面で、どのようなモノを使用したら良いのかを適切に提案することで、ご本人や介護者の困りごと、不自由さからの改善について相談させていただきます。 オムツの提案だけでなく、医療・住環境・食事・福祉用具など、幅広い視点で適切な排泄ケアを一緒に考えていきます。 不安や困りごとなどがあれば、ご相談させていただきたいと思います。 お声をかけて下さい。 今は2級ですが、現在1級取得に向けてがんばっております。(看護師長・引石澄子)
☆☆今号の、院長のお勧めの本☆☆
ここのところ、私たちが読む本が「終末期医療」や「看取り」に関するものが多くなってしまいました。
◇文春文庫:「納棺夫日記」 青木新門著 467円+税
これは、アカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」の原点となった書物です。 ただ、映画「おくりびと」の原作ではなく、長年、納棺夫として人々の死を見つめてきた著者が、死者を見つめることを通して生のあり方を追求した著書です。その中に、映画「おくりびと」で描かれたようなエピソードもありますが、むしろ氏の考えを滔々と述べられ、さらには仏教を始めとする宗教のことも深く述べられ、読み進めるうちに、「死を真直ぐに見つめることは、生き方を追求することである」との確信に至りました。 ひいては「延命至上主義医療」を見直す機会にもなりました。 「悟りというのは如何なる場合にも平気で死ぬ事かと思っていたのは間違いで、如何なる場合にも平気で生きている事であった」という正岡子規の言葉も印象に残りました。(院長)